
この記事は一般貨物自動車運送事業の許可の欠格要件について。
上記のマンガは記事の内容をコンパクトにまとめたものです。
運送業許可の取締役や個人事業主が一定の要件に該当すると許可が取れなくなります。
例えば未成年者、被後見人などの行為能力が制限される人、1年以上の懲役や禁錮刑など刑罰を受けた人。
運送業許可の取消や取消直前に廃業や退任した等が該当します。
運送業許可の欠格要件の範囲はかなり広いです。
取消された法人の親会社や子会社なども欠格要件に含まれます。
理由は運送業はトラック5台以上からスタートする事業です。
なので個人で許可というよりも法人で許可を取られる方が大半です。
グループ企業を活用して、取消などのペナルティから逃れることを防ぐため。
欠格要件は運送業許可に限らず大抵の許認可に存在します。
許可の種類で要件が少しづつ異なりますが、大筋は同じような感じになります。
参考までに建設業許可の欠格要件をご紹介します。

運送業許可の欠格要件とは申請者が一定の要件に該当すると許可が取れなくなるものです。
国(運輸局)が許可を出すのは望ましくない人を法律で定めております。
欠格要件の対象者は、個人事業主または会社役員になります。
法人の場合、役員が一人でも欠格要件に該当すると不許可になります。
また許可取得後に個人事業主や取締役が欠格要件に該当すると許可取消にもなります。
一度許可を取得すると、欠格要件に引っ掛からない様にする必要がございます。
一般貨物自動車運送事業の欠格要件は貨物自動車運送事業法の第5条に定められております。
条文は下記の通りです。
(欠格事由)
第五条 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、第三条の許可をしてはならない。
一 許可を受けようとする者が、一年以上の拘禁刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者であるとき。
二 許可を受けようとする者が、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の通知が到達した日(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条第一項の通知が到達した日(同条第四項の規定により通知が到達したものとみなされた日を含む。)をいう。第四号において同じ。)前六十日以内にその法人の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。第六号及び第八号において同じ。)であった者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)であるとき。
三 許可を受けようとする者と密接な関係を有する者(許可を受けようとする者(法人に限る。以下この号において同じ。)の株式の所有その他の事由を通じて当該許可を受けようとする者の事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として国土交通省令で定めるもの(以下この号において「許可を受けようとする者の親会社等」という。)、許可を受けようとする者の親会社等が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として国土交通省令で定めるもの又は当該許可を受けようとする者が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として国土交通省令で定めるもののうち、当該許可を受けようとする者と国土交通省令で定める密接な関係を有する法人をいう。)が、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から五年を経過しない者であるとき。
四 許可を受けようとする者が、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しの処分に係る聴聞の通知が到達した日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第三十二条(第三十五条第六項において準用する場合を含む。)の規定による事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から五年を経過しないものであるとき。
五 許可を受けようとする者が、第六十条第四項の規定による検査が行われた日から聴聞決定予定日(当該検査の結果に基づき一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しの処分に係る聴聞を行うか否かの決定をすることが見込まれる日として国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣が当該許可を受けようとする者に当該検査が行われた日から十日以内に特定の日を通知した場合における当該特定の日をいう。)までの間に第三十二条(第三十五条第六項において準用する場合を含む。)の規定による事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から五年を経過しないものであるとき。
六 第四号に規定する期間内に第三十二条(第三十五条第六項において準用する場合を含む。)の規定による事業の廃止の届出があった場合において、許可を受けようとする者が、同号の聴聞の通知が到達した日前六十日以内に当該届出に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員であった者で、当該届出の日から五年を経過しないものであるとき。
七 許可を受けようとする者が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人が前各号(第三号を除く。)又は次号のいずれかに該当するものであるとき。
八 許可を受けようとする者が法人である場合において、その役員のうちに前各号(第三号を除く。)のいずれかに該当する者があるとき。
非常に長い条文になるので、一部をピックアップいたします。
ここから一つ一つ説明して参ります。
こちらは1年以上の懲役や禁錮刑を受けた人で刑罰の種類は特定されておりません。
(今は懲役や禁錮は拘禁刑という名前になっております)
これら刑罰が終わってから5年間は運送業許可の申請が出来ない形になっております。
次は運送業許可(一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業)の許可を取り消された人になります。
会社で取り消された場合は役員全員がこちらに該当します。
取り消された日から5年間は許可申請できません。
他にも取消前に
許可の取消は、いきなり行われません。
まずは聴聞手続きが行われ、当事者の意見を聞く機会が設けられます。
(ほぼ許可取消は免れない事が多いです)
聴聞の呼び出し通知が来る前の60日の間に役員を退任した方も5年間は欠格要件に該当します。
要は取消のペナルティを受ける前に逃げるのは許しませんという感じですね。
実際の条文は非常に長く複雑になりますが、要約すると下記のような感じになります。
取消の当事者では無いけど、業者の親会社、子会社、関連会社(グループ会社)など、
役員兼任や株式を保有するなど、取消業者を実質的に支配していた人も欠格要件に該当します。
許可取消しを受けた事業者が、社名や法人を変えて事業を継続する実質的な許可逃れを防止するための規定です。
例えば、A運輸(株)が重大な法令違反で許可を取り消された。
その後、A社の親会社であるB商事(株)が、新たに(株)C運送を設立して許可を申請した。
この様にC運送はA運輸と同じグループで、B商事を通じて実質的に支配関係にあるため許可が認められない可能性があります。
こちらの行政検査ですが、取消を前提に聴聞まで進む手続きになります。
欠格事由は運送業許可の取消し前に廃業届を出した方になります。
廃業届から5年間は運送業許可の申請はできません。
典型的な取消逃れですね。
悪質性が高いとして欠格要件になります。
他の許認可でも同じような規則がございます。
また廃業届を出した会社と一緒に欠格要件に該当します。
役員も一蓮托生ってヤツですね。
こちらは申請人が18歳以下の場合になります。
法定代理人(親)がつけば申請は可能ですが、後見人が欠格事由に該当した場合は許可申請できません。
未成年者の申請者や法人役員は、かなり特殊なケースだと思います。
最後は法人で申請する場合、上記の欠格事由に該当する取締役が一人でもいれば、その会社での運送業許可はできません。
もし欠格に該当する方が居られる場合は、役員を外してから申請することになります。

ここからは運送業許可で質問があったものをご紹介します。
Q、執行猶予になった場合も欠格事由に該当しますか。
A、1年以上の拘禁刑(懲役、禁錮)の執行猶予の場合は欠格要件に該当します。
この場合、執行猶予が終わってから5年待ちになります。
Q、交通違反も欠格事由に該当しますか。
A、1年以上の拘禁刑(懲役、禁錮)や執行猶予になった場合は該当します。
全ての交通違反が該当するわけではございません。
Q、役員を外せばOK?
A、申請者から役員を外しても株主などである場合は要注意です。
5条の3号に該当する可能性がございます。
ここまで欠格事由について見て参りました。
運送業許可の欠格要件は範囲が広く、3号の様に複雑なものもございます。
一度不許可になると、リカバリーが大変になります。
一般貨物自動車運送事業の許可を検討する際には、役員や個人事業主の方が欠格事由に該当しないか確認が重要です。
役所に提出するのは誓約書と履歴書(役員、個人事業主)になります。
他の要件と異なり何か確認資料が必要ではないので、見過ごしがちな要件です。
以上が運送業許可の欠格要件についてでした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
大阪府行政書士会 法人研究会フェロー
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
運送業許可、産業廃棄物収集運搬業、建設業許可など許認可手続き。
年間相談件数は500件を超える。
【表彰】
