
この記事は一般貨物自動車運送事業の許可を会社で取得するか、個人事業主で取得するかについて。
弊所行政書士の見解は上記マンガにも記載しました。
個人的見解になりますので、異論があることは百も承知しております。
最初に私の見解を申し上げます。
一般貨物自動車運送事業に関しては個人事業主のメリットを活かし辛い許認可になります。
要件がトラック5台以上、運転手5名以上など一定以上の規模が求められるためです。
自営業のメリットは小規模事業で真価を発揮します。
営業許認可で個人事業主が多いのは、社長一人でも業務可能なジャンルになります。
弊所ご依頼者さまの傾向だと、建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可、軽貨物運送の許可において個人事業主の方も多いです。
または法人形態でも社長と奥様のみの会社なども少なくございません。
古物商許可証は個人で取得する人の割合が多いです。
(メルカリなどで転売を副業でされる方など)
あと宅建業免許(不動産屋)は法人で取得される方が多いです。

トラック運送業の許可は法律上は個人事業主でも法人組織でも取得可能です。
直近の新規許可を見てみると、9割以上は株式会社か有限会社など法人申請でした。
参考までに令和8年6月の新規許可者の申請者別の属性を表にいたしました。
| 運輸局 | 法人 | 個人 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 4 | 0 | 4 |
| 東北 | 13 | 0 | 13 |
| 関東 | 24 | 1 | 25 |
| 北陸信越 | 15 | 0 | 15 |
| 中部 | 41 | 2 | 43 |
| 近畿 | 18 | 1 | 19 |
| 中国 | 4 | 0 | 4 |
| 四国 | 5 | 1 | 6 |
| 九州 | 16 | 2 | 18 |
| 合計 | 140 | 7 | 147 |
この表を見ると6月度の新規許可業者数は147業者ございました。
その内、法人が140社、個人事業主が7社です。
割合としては法人95%、個人が5%となります。
この数字を見ると個人で始めるのは難しい事が分かります。
もちろん個人事業主の方も居られますので、絶対に無理と言う訳でもございません。

個人事業主と法人成りのメリデメをご紹介します。
典型的な話と言うより弊所が個人事業主や法人成りした方の意見になります。
一般的に言われる内容と少し異なる部分があるかもです。
個人の方が仰るには、以下の3点に集約されます。
個人事業主は利益が出ると税金負担が高くなります。
なので一定レベルになると法人成りを検討します。
それ以上にコストが増える、設立費用も10万円からかかり、利益ゼロでも税金が発生する。
税務申告は税理士費用が発生するなど、節税効果よりも固定費の増加が痛いと。
社会保険も強制加入で負担が重くなる。
法人にすると、登記や税務、社会保険など手続きが増えます。
仕事に集中したいのに、それ以外の雑務が増えるのは勘弁してほしいと。
ラストはそこまで規模拡大したくないです。
社員を雇わず、雇用しても家族や最低限の人数、自営業レベルで自分と家族が食べていけたら十分。
(稼いでる個人事業主は、下手な法人より売上も利益も大きいですが。)
事業を子供や家族に継がせる気もなく一代で終了する。
この様な感じですかね。
次は法人を作って、元々法人を持っている人の意見になります。
まず利益が大きくなり、法人にかかる費用より節税効果が大きくなったケース。
個人の財布と会社のお金をキッチリと分けたい。
ネットでもよく書かれているケースです。
次に法人との取引で必要になるから。
一定規模や歴史のある会社などは、取引は法人のみという所もあります。
この様な法人相手の仕事は、こちらも会社組織が必要になります。
自分の事業を大きくしたい、もっと儲けたい。
たくさん人を雇って大きな仕事をしたい。
この様な場合も最初から法人を設立しています。
次は自分の事業を子供や家族に継がせたい。
自分が居なくなった後も事業が続いて欲しい。
許認可業務の観点からは、今持ってる許可番号をこれからも維持したい。
(個人で許可を取ると許可番号の永続性は難しいです)

一般貨物自動車運送事業の許可の95%は法人になります。
個人で許可を取られる方が少ない理由は、色々と個別事情もあると存じますが…
一番は個人事業主のメリットを活かせない事があります。
まずは運行管理者、整備管理者、運転手5名以上の雇用が必要です。
個人事業主でもフルタイム5名を超えると社会保険の強制加入団体になります。
また雇用管理や厳密な給与計算が必要になります。
特に昨今は未払い残業代が怖い事になっております。
退職した元従業員から未払い残業代の請求が来ることも…
私が知るところでも、突発で500万円単位の支払いが発生する会社もございました。
雇用もさることながら、トラック5台以上、車庫と営業所、損害保険の加入などが必要です。
許可申請時には半年~1年分の運転資金と設備投資の資金確保が必要です。
運送業許可は最初から資金繰り問題が発生するビジネスモデルです。
資金繰りが発生するため、銀行など金融機関とのお付き合いも必要になります。
銀行とのお付き合いとなると、経理もそれなりの会計組織が必要です。
そうなると税理士の協力が必要です。
これらは個人事業主であっても、同様にかかる負担になります。
自営業のメリットである手続きの簡略さや小回りが利きやすさ、ランニングコストの低さなど利点が活かせません。
コストも手続きや管理体制も法人と変わらない、所得税は法人より高額となると…
最初から選択肢は法人になってしまうのかなと思います。
運送業は一般貨物の他に貨物軽自動車運送事業もございます。
軽自動車で貨物を運送するお仕事になります。
分かりやすいのはアマゾンや宅急便や郵便局で軽自動車で配達している人ですかね。
ダイハツの白いハイゼットで街中を回られている方です。
(本体の人は会社のロゴやカラーの車に乗っていることが多い)
貨物軽自動車運送事業の許可は、軽自動車での運送業を行うためのものです。
バイク便もこちらのカテゴリーに含まれます。
一般貨物との違いは、軽トラ1台、社長一人で許可が取れることです。
(一般貨物は軽自動車では取得できない)
一般貨物は緑ナンバーですが、軽貨物は黒ナンバーになります。
今は宅急便市場の拡大で黒ナンバーを取る人が多いです。
中には営業所単位で営業所の配送を全部請け負っている会社もございます。
中には複数の郵便局の小包配送を一手に引き受けている会社を存じ上げております。
スタッフ規模も数十人単位です。
弊所では一般貨物の運送業許可の他、軽貨物の許可に関する相談も承っております。
ご遠慮なくご連絡頂けると幸いです。
以上が運送業許可は法人か個人事業主の何方が良いかでした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
大阪府行政書士会 法人研究会フェロー
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
運送業許可、産業廃棄物収集運搬業、建設業許可など許認可手続き。
年間相談件数は500件を超える。
【表彰】
