
この記事は一般貨物自動車運送事業の許可要件についてザックリ解説します。
上記マンガはこの記事でご紹介する内容をコンパクトにまとめたものです。
許可申請で必要な書類のリストは別コンテンツでご紹介しております。

貨物運送の仕事を始めるには運送業の許可が必要です。
貨物運送の仕事は貨物自動車運送事業法という法律で定められております。
一般貨物自動車運送事業許可はその中のトラック運送で緑ナンバーを取得するための手続きになります。
手続きは都道府県を管轄する運輸支局(大阪府なら大阪運輸支局)で行います。
形式審査は運輸支局、本審査は運輸局で行われます。
許可の基準は以下のものがございます。
この3つ要件を審査するために9つの要件を満たす必要がございます。
上記9つの要件を申請書や様々な書類で証明いたします。
どれか一つでも欠けると許可が下りない形です。
肌感覚になりますが…
運送業の許可は他の許認可(建設業や宅建業)などと比較して、かなり重い条件が求められます。
特に施設や設備、資金の要件が厳しいです。
人の要件も資格者や人数のハードルが高いです。
しかしながらクリアできない要件ではございません。
一つ一つ丁寧に準備して行くことで許可は取れる形になっております。
中には制度上は存在するけど、取らせる気のない許認可も存在します…
(運送関連なら郵便事業、一般廃棄物収集運搬が挙げられます)

まずは一般貨物自動車運送事業許可のヒト要件を見て参ります。
人要件は4つの役職・担当者に分類されます。
まずは申請者とは、許可手続きを行う名義人で事業の社長など経営者を指します。
まず申請者には欠格要件が定められております。
欠格要件とは、特定の法令に違反した人や未成年者、成年被後見人など行為能力が制限された人、破産者などが該当します。
この中で特に重要なのが、法令違反者や許可取消処分を受けた人です。
法令違反者は懲役1年以上(今なら禁固刑)を受けた人、執行猶予判決を受けた人を指します。
禁固刑や執行猶予が終わってから5年間は許可申請ができない形です。
また運送事業の許可を取り消された時に経営者(役員や個人事業主)だった人も5年間は申請不可です。
もう一つ申請者には要件がございます。
運輸支局に書類提出後に運輸局で法令試験の受験が必要です。
貨物運送に必要な13の法令を○×で回答する形式で、30問中24問の正答率(8割)で合格。
法令試験に合格しないと許可がおりません。
なかなかプレッシャーが掛る代物で、ご不安を感じられる方が非常に多いです。
弊所は法令試験対策サポートに力を入れております。
次は運行管理者の要件です。
会社の営業所で配車担当のことです。
運行管理者は点呼や運送ルート、運転手の勤務シフト作成など輸送の安全、過重労働、過積載の防止を担当する重要な役割です。
運行管理者は運行管理者試験の合格者、一定の実務経験者がなれます。
人数は営業所に配備された車両30台につき1名です。
また運行管理者にも欠格要件があり、該当すると5年間は運行管理者になれません。
次は整備管理者です。
整備管理者は自動車の整備点検、車庫の管理を担当する役職者です。
営業所に最低でも1人を置く必要がありますが、車の台数が増えても1名で要件は満たせます。
整備管理者も運行管理者と同様に一定の国家資格or実務経験が必要です。
資格者は自動車整備士(1級~3級)。
経験者は車庫で整備する自動車と同種の整備経験2年以上&整備管理者専任前研修の修了証が必要です。
国家資格者の場合は免状1枚で済みますが、実務経験の場合、難易度が上がります。
ラストはドライバーさんです。
一般貨物自動車運送事業は5人以上の運転手が必要です。
新規許可の後に運転手のリストを提出します。
運転手は長期雇用であることが求められ、日雇い、雇用期間が2か月以内、試用期間中の人は5人に含めることはできません。
あと運転手さんの社会保険加入もチェックされます。

ここからは一般貨物の設備要件をご紹介します。
人要件も大変でしたが、設備要件も色々と制約があります。
まずは営業所になります。
運送事業の営業活動を行う事務所です。
営業所として活動ができる什器(机、PC、応接スペース、固定電話)などが備えられていることが条件です。
営業所の内装写真を提出します。
広さは一部の運輸支局では指定がありますが、大阪運輸支局では決まりはありません。
立地条件には注意が必要です。
営業所は「事務所」になるので、用途地域によっては事務所不可になるケースもあります。
(第一種低層住宅地域など住宅専用エリアなど)
次に休憩睡眠施設です。
運転手さんの過労を防ぐために休憩施設が必要です。
泊まり勤務があるなどの場合、睡眠施設の併設が求められます。
睡眠施設を作るときは一人あたり2.5㎡以上の広さと寝具を準備します。
休憩だけなら椅子とテーブルなどがあれば要件は満たせます。
休憩・睡眠施設は営業所か車庫のどちらかと隣接していることが重要です。
トラックを置く車庫です。
屋根付きの車庫より青空車庫の方が要件は軽いです。
立地条件の縛りとしては、車庫と営業所の距離、面積、直前道路の幅があります。
原則は営業所と隣接ですが、大阪なら営業所から10キロ以内の場所までなら対応可能です。
エリアによって距離制限が異なるので事前確認が必要です。
次に広さですが、自動車+縦横50㎝以上の空間が必要です。
月極駐車場1台分のスペースでは1台も認められない可能性が高いです。
最低でもトラック5台なので、かなりの広さが必要になります。
後の事業規模拡大を考えるなら、余裕をもった車庫の確保も。
次に前面道路の幅について。
車庫から一番近い公道の幅が車両制限令に引っ掛からないことも要件です。
市役所から幅員証明書を発行してもらい提出します。
一般的には幅6.5m以上あれば大丈夫と言われています。
車の大きさや車庫の場所によって必要な幅が変わってきますので調査が必要です。
運送事業で使用可能な車種が必要です。
小型貨物車(4ナンバー)、冷凍食品、石油類などの運送に使用する特種車(8ナンバー)が該当します。
軽自動車、バイクは別の許可になりますので、一般貨物では使用不可です。
(営業車として使うなら問題なし)
自動車はリースでも対応可能ですが、リース会社の委任状などが求められることも。

ラストは資金計画になります。
一般貨物自動車運送事業の資金要件は複雑で申請者ごとに金額が異なるのが特徴です。
事業開始に要する資金及び調達方法(様式2)という書類に内訳を記載します。
主なものを挙げると、以下の通りです。
上記を見ると半年分の人件費や車両維持費、購入費用などなど…
概ねで2000万円以上の資金が必要になってきます。
また運送業の許可の特徴ですが、残高証明書を2回出す必要があります。
ラストは損害保険の加入になります。
物流サービスの仕事は交通事故は切っても切れない関係にあります。
万が一の時に備え自賠責保険以外の任意保険の加入も許可要件の一つです。
また石油類、化成品類又は高圧ガス類等の危険物の輸送を行う場合は上記任意保険の他、特別な保険にも入る必要があります。
ここまで一般貨物自動車運送事業の許可要件をご紹介して参りました。
この記事は要件の総論で個別の細かい話は個別記事でご紹介いたします。
以上が漫画で語る一般貨物自動車運送事業の許可要件でした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
大阪府行政書士会 法人研究会フェロー
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
運送業許可、産業廃棄物収集運搬業、建設業許可など許認可手続き。
年間相談件数は500件を超える。
【表彰】
